AVONBAR RACING - Mr.Ian Hargreaves の話
ダニエル・リッチモンド。 ダウントン・エンジニアリングワークスLTDの代表でもあり、ダウントン・コンバージョンを基にしてBMCのミニクーパーで無敵の”S”typeをつくりあげ、以後「ミニクーパーS」というレジェンドを作った張本人でありながら自身も伝説となった・・・神がかりな人物です
時は流れて、スラーク、ロングマン、ヤン、ペントンらのダウントン出身のチューナー・ドライバーが脚光を浴びそして段々と去っていく中・・・
1972年に自身のクーパーSを当時のチューナーにも頼らず自らでチューンし自らでドライブして小さなレースから勝っていき段々と大きなレースにステップアップする一人のプライベーターがいました。
Ian Hargreaves イアン・ハ―グレーブス。後の1975年にAVONBAR RACINGを立ち上げ1970年代後半から1990年代までのイギリスのチューニング ミニの人気を支えた第一人者です。
当時はほとんどなかった「エンジン単体をキットとしての販売」をはじめたり、従来のチューニングノ技術を踏襲しながらも、自身で新しくアレンジすることを始めたひとでもあり、近年活躍する〇EDとか〇ADとか〇WIFTなどのチューニングメーカーの現代のスタイルにも影響を与えています。
1970年代後半からはメトロ ターボのチューナーとしても有名でいまだにイギリスを現役で走り回るメトロ ターボやターボ コンバージョン ミニは彼によるエンジンが積まれたものが多いです。また後のERA ターボの誕生と設計モデルにも影響があったといわれています。
イアンはAVONBAR RACINGが軌道に乗ってもドライバーとしての修練は忘れませんでした。当時まだ存在したC-PARTSのOEMメーカーとの親交も深めながらも、BLのメトロ・メインディーラー関連のワークスドライバーも務めたり、ある時はイギリスHONDAネットワークのスミス ブロスHONDAにゲストドライバーとして招かれ、自身もチューンナップに参加したCRXでウィルハイア24時間レースにも参加して好成績をおさめます。
HONDA UKのワークス ドライバーのトレーバー エリオットやWILLIAMS-F1のドライバーだったジム マクドゥガルと組んでクラス2位でフィニッシュ。彼らとチームを組んだことSBホンダワークスに招かれたことは当時もとても誇りだったそうです。
ミニのチューナー ヒストリーをまとめたAROnlineの「CLASSSIC MINI - TUNED MINI」では当時のAUTO CAR / AUTOSPORTS / CARS&CAR CONVERSIONSなどの著名誌・オーソリティによるチューンドMINIヒストリーの記事が有ります。
http://www.aronline.co.uk/blogs/cars/mini-classic/mini-classic-the-tuned-cars/
このなかでAVONBARのコンバージョン カーである " AVONBAR MINI 30 "は1990年JANの記事で当時のERAターボ、BAC M-30 (KATコンバージョン)との三大キットカーとして取り上げられ「価格 ◎、性能 ◎、満足度 ◎とされて見事に「the best value CAR for money」とされています。
お金を出せば何でもできるのはソレはそれで良いでしょうが、AVONBARのイアンのポリシーは「一般の人が頑張って捻出した予算ならその範囲で出来る限りの勝機のあるモノを作る」って事でした。もちろん他社でお金を一杯かけたエンジンに一歩も引かないエンジンをです。やっぱりAVONBARは庶民の味方でした。
これは自分のプライベーター時代の経験から生まれたものだと思います。当時は私もコレにとても賛同して、AVONBARの代理店を始めることになりました。当時から彼はNAだけでなくターボも得意にしてましたが・・・私がその頃興味がなくて・・・扱わずじまい。今は後悔してます。
でも彼のつくったNAのAVONBAR 1400 ZX は今でも伝説です。
約10年くらいはAVONBARのパーツをイギリスと同じ感覚で売っていました。
イアンは当時、ドライバー時代に大けがを負った足の古傷が非常に悪く・・・・会うたびに辛そうでした。でミニが生産中止になるのを機に、彼は自身の「引退」を決めました。
当時、AVONBARの熱烈なファンの一人だったVINCEが会社を引き継ぎましたが・・・私はイアンのいなくなったAVONBARに魅力を感じることができずに代理店を辞めることにしました。
VINCE率いるAVONBARをイアンも時々はサポートしていましたが・・・やはりままならず・・・・日本でも他の会社が代理店をしたりしてましたが・・・・結局、AVONBAR by Vinceは経営破綻してしまいました。
やはりさびしいもんです。過去にはジャックナイトなんかもなくなったりして・・・
で、ふとした事から去年、随分久しぶりにイアンに電話することがありました。
驚いたことに約5年ほどの治療と養生のおかげで一昨年ころから足の傷がほとんど回復したそうです。当時のような骨をすり潰す様な激しい痛みからは完全に解放されたそうです。
「え?じゃまた仕事できる?」って聞きましたら
「実はもう仕事してるよ、8ヶ月前から昔からのお客さんのエンジンを組んでる。毎日、毎週ね。エンジン コンバージョンの予約は約半年先まで埋まってるよ」
なんとまあ嬉しい事でした。今年からレースパーツの販売も再開できるとの事。電話やメールでやり取りをして・・イアンもAVONBAR RACING の再開をきめました。その後一度手放したAVONBARパテント関係も買い戻したそうです。もちろん私も最大の協力をしたいと思います。
「YOSHI(私のこと)、人生はお金だけじゃないんだよ」
イアンに大賛成です。じゃあ私たちは最後までトコトンやろう(笑)
ホームページのウェブショップにある RACING PARTS COMING SOON! は実はそういう意味だったんです。現在のMINIユーザーの方にはもう名前すら知らない人も多いでしょうね。でも昔からチューニングの基をしっかり積んで・・・今があるチューニング・メカニックの人たちと話をしましたら・・・・今回の復帰を大変歓迎してもらって・・・、早々とパーツの予約注文も色々いただいたりで・・・ホントありがたいことです。
イアンも私もマイペースなんですが、焦らずしっかりとしたパーツを、そして今後もヒストリーになれるようなパーツを扱っていきたいと思いますのでよろしくお願いします
なんか今日は真面目^^;
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待ちに待った甲斐がありましたw
ほんと色々ありましたもんね(^-^;
チャーリーチャップリンの「あの言葉」と同じですよね。
僕もこの秋から、ワンランク上の整備を目指して、お勉強するつもりデスw
いつまでも、自分もワクワクしたいし、お客様にもこの気持ちを感じてほしいです。
日々精進しま~す
投稿: ぐりぐり店主 | 2014年7月 5日 (土曜日) 04時06分
鎌やん@ぐりぐり店主 殿
いろいろ協力感謝です。先の復帰第一弾ハーモニックバランサーはホント鎌やんの粘~り強いリクエストが発端ですよ!
「ワクワク」は大切ですね。最近はいろんな事でワクワクできる大人になれて良かったなと思ったり・・・・
はたまたいいトシこいてと思われたり^^;
あ、それが残念なヲトナって人たちか(笑)・・・え、もしか私も?^^;
投稿: スクイ | 2014年7月 6日 (日曜日) 04時28分